イギリス|気になる健康保険事情。医療費・GP・GHICとは?

イギリスでは、一定の条件を満たせば病院での治療費が無料なことをご存知でしょうか?
この記事では、イギリスで生活するうえで気になる健康保険制度について紹介します。

イギリスの医療費

イギリスでは、NHS(National Health Service)と呼ばれる国民健康サービスが提供されています。
NHSは国全体をカバーする公的機関のため、イギリス在住者ならば基本的に無料で医療サービスを受けることができます。
具体的に無料となるサービスは以下の通りです。

無料治療

病院治療:入院費用、手術費用などが無料(処方箋料は一部自己負担)
一般診療:診察料が無料(処方箋料は一部自己負担)

低額治療

歯科治療:一部の歯科治療においては自己負担が発生
光学検査:眼科検査や眼鏡・コンタクトレンズには一部自己負担が必要

一部の特別な治療や美容矯正なども自己負担となるので、詳細は事前にご確認ください。

NHSとは?

そもそもNHSとは、1948年に創設されたイギリス国内の病院、診療所、医師、看護師などを統括した公的機関です。
イギリス居住者であれば、もちろん日本人でもNHSに登録することができます。

NHSへの登録は簡単で、近くのGP(General Practitioner)に登録をすることが一般的です。
GPとはかかりつけ医のことで、一般的な健康相談や予防接種、病気や怪我の治療など、幅広い医療サービスを提供しています

GPに登録することで、NHS番号が発行されます。
この番号は、医療サービスを受ける際に必要となるので忘れないようにメモしておきましょう。

医療サービスの利用方法

NHSの治療を利用する際には、まず近くのGPに登録する必要があります。
治療を受けたい場合は、登録済みのGPの診療時間内に予約をして診察を受けることができます。
もし緊急の場合や夜間・週末に医療サービスが必要な場合は、救急部門(A&E)を利用することができます。

GP利用のメリット

  • 税金で賄われるため追加の医療費がかからない
  • 緊急治療や長期治療であっても費用を気にする必要がない

GP利用の注意点

  • 慢性的な人手不足による、予約の取りづらさと待ち時間の長さ
  • より専門的な治療が必要な場合、GPから専門医への紹介が必要となる
    これにより、さらなる待ち時間が発生することがある

プライベート治療とは?

もしもNHSでの待ち時間が長い場合や、特定の専門家を受診したい場合はGPではなくプライベート医療施設での治療を利用する方もいます。
プライベートな医療施設では迅速な診断や治療を受けることができますが、その分費用は高額になることがあります。

プライベートのメリット

プライベートな医療保険に加入することで、以下のようなメリットがあります。

  • 専門家の迅速な診断や治療を受けられる
  • 高品質な医療サービスを利用できる
  • NHSではカバーされない特定の治療やサービスを受けることができる

プライベートの注意点

  • 月々の保険料が必要になる
  • 全ての治療や医療費がカバーされるわけではない
  • 保険金の受給には条件がある

長期的に歯や目の治療が必要な方は、それらをカバー出来る保険に入っている印象があります。

GHICとは?

GHIC(Global Health Insurance Card)は、イギリス居住者がEU加盟国内で医療を受ける際に利用する健康保険カードです。
このカードを持っていれば、EU加盟国内で治療を受ける際にも現地の公的な医療サービスを同条件で受けることができます。

GHICのメリット

  • 無料で取得可能:オンラインで申請し、発行無料
  • 有効期限:最長5年間有効
  • EU加盟国で有効:EU加盟国内で利用可能
  • 緊急時の安心:急な医療が必要な時に使える

GHICを発行すると、NHS番号とは別の番号が発行されEU加盟国での医療を受ける際に必要なカードが届きます。
イギリス滞在中にEU加盟国へ旅行に行く方も多いと思うので、NHSの登録が終わったら念のためGHICも申請することをおすすめします。
GHICの申請方法は、別の記事で紹介します。

さいごに

イギリスでは国民保険制度により、医療費の大部分を無料もしくは低額で受けることができます。
プライベートな医療保険は必ずしも加入する必要はないですが、必要に応じで検討してみてください。
また、GHICを持っていればEU加盟国でも同条件で医療サービスを受けられますのでよく旅行へ行く方にはおすすめです。


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